消えた30ユーロ
前回のつづきより
「ATMで引き出したはずの30ユーロが財布に入ってない!?」
私の頭の中は冬のゲレンデ以上に真っ白になった。
しかしあっという間に雪は溶け、
ATMに何しに行ったのでしょうか。
暗証番号を入力してカードを取り出した後、
お金が出てくるというメインパートをフルシカトしてました。
ひとつ言い訳をさせて頂くと機械の反応がものすんごく遅いんです。
たまに機械じゃなくてネジで動いてんのかなって思いますよね。
この国に”お・も・て・な・し🙏🙇”が通じないことは百も承知だったのでATMに戻ることはせず、
「見知らぬ誰かに小さな幸せを届けたんだ」と自分自身をマインドコントロールすることに徹した。
更に動揺を隠すため「私ぜんぜん気にしてませんよ。」風を装ったが、きっとバレバレだったに違いない。
その日は取り憑かれたように「今日ATMでお金置いてきちゃってさ(笑)」と
会う人会う人に報告していた気がする。
笑い話にして忘れようと思ったのに、みんなリアクションに困っていて逆に申し訳なかった。
結局ぜんぜん心にしがみついたまま、翌日も失った30ユーロの事を引きずっていた私は勤務先のカフェで抹茶を点てていた。
すると・・・
つづく